The Whoの「Pinball Wizard」は当時のゲーム場の事情が基になっていて、今となっては歌詞の意味が分からなくなりつつあるのではないか、ということで解説してみます。
Ever since I was a young boy I’ve played the silver ball.
(Silver ballは銀の球。ピンボールは銀色の金属球を持ち玉として、これを落とさないように遊ぶ。Silver ball=Pinball)
He stands like a statue Becomes part of the machine. Feeling all the bumpers Always playing clean.
(bumpersは持ち玉が触れると反発するように仕掛けてある役物の総称。この役物によって一度降りた球が跳ね返るなど複雑な動きを与え、起伏に富んだゲーム展開を実現させている。)
He plays by intuition The digit counters fall.
(当時のピンボールは0〜9の数字が付いたリールを回すことで得点表示としていた。基本的に普通にプレイしていれば壊れないが、激しくガチャガチャ回るので壊れてしまいそうだ、という表現。)
Always has a replay never tilts at all
(高得点を取るともう1プレイ無料でプレイできるようになる機種があります。1975年当時主流のフィーチャーでした。もちろんリプレイを獲得できるプレイヤーは上手いということです。それを毎回獲得できるので非常に上手いという事。)
(ピンボールでは台を揺らすことは正当なテクニックです。フリッパーでは届かないコースを取ってしまったボールを揺らしでコントロールして延命させます。しかし揺らしすぎるとTILT判定で操作無効になり、強制的にボールを失うことになります。TILTにならないという事は台の揺らしが適切であるということ。)
I thought I was the Bally table king.
(Ballyはピンボールの代表的なメーカー名の一つです。「ピンボールの王様」ぐらいの意味。)
He’s got crazy flipper fingers
(フリッパーはピンボールにおいてプレイヤーが直接操作することになる羽根のような部品。フリッパーでボールを弾きます。クレイジーなフリッパーさばき、という意味。)